こんにちは、IN NATURAL STYLE編集部です。
リトープスという多肉植物を知っていますか。
リトープスはその風変わりな形もさることながら、脱皮する植物として知られているユニークな多肉植物です。
色が豊富で、上手に育てることで鮮やかな色彩を楽しむことができますよ。
この記事では、リトープスを色鮮やかに育てるために、どのような点に気をつければいいかを解説します。
リトープスはどんな多肉植物?
リトープスは、ハマミズナ科・リトープス属の多肉植物です。
リトープスという言葉には、「石に似た」という意味があります。
日本名を「イシコロギク」ともいうように、石や岩に擬態する性質を持った植物です。
上から見ると、葉が平たい球が2つ並んだような形をしていて、その色や模様は自生地の岩場や砂利に似ています。
リトープス属にはさまざまな種類があり、その種類によって葉の間から色鮮やかな花を咲かせることから、「生きた宝石」とも呼ばれています。
花の色は、緑、茶、クリーム色、灰色、白色、濃紅色などです。
花の見た目は、タンポポなどのキク科の花に似ています。
植物には珍しく、1年に1回、外側の古い皮を脱いで脱皮することで知られています。
原産地はほとんど雨が降らない地域のため、乾燥に非常に強いです。
同じリトープス属でも種類によって模様や大きさが異なるため、いくつ育てても飽きないと人気の多肉植物です。
世界中にファンが多く、育てる上でも手間がかからないため、初心者にも向いています。
多肉植物は成長に合わせて大きな鉢に植え替える必要がありますが、リトープスの場合は、成長がゆっくりなので2~3年に1度程度で構いません。
ただ、成長期の成長が鈍ってきたり、鉢が窮屈そうだったりしていれば、植え替えを行うことで改善できる場合があります。
リトープスを植え替える適期は10~11月ごろです。

育てるうえで注意が必要な点は?
リトープスを育てるうえで注意が必要なポイントは、環境と水やりの頻度です。リトープスは日光が好きなので、十分に日光を当てるようにしましょう。
そうすることで、色鮮やかに成長していきます。
日光が不足してしまうと、「徒長(とちょう)」といって、葉が不自然に伸びる症状がみられるため注意が必要です。
一度徒長した部分は、残念ながら元には戻りません。
また、正常に育っているリトープスに比べて、病気や害虫への抵抗力も弱くなってしまいます。
同じ鉢植えの中でも、日光の当たり具合によっては成長に差が出てしまうため注意しましょう。
なお、リトープスに限らず、多肉植物は直射日光を浴びることで葉焼けをしてしまう恐れがあります。葉焼けは株自体を弱らせ、枯れる原因にもなるため、直射日光は避けて保管しましょう。
リトープスは「冬型」に分類される多肉植物です。
冬型というのは、冬に成長し、夏に休眠するタイプの多肉植物を表しています。涼しい場所を好み、耐寒性があります。
とはいえ、霜や凍るような寒さは苦手なので注意が必要です。
また、冬型タイプは夏の暑さが苦手です。
暑い時期は、風通しが良く、雨の当たらない明るい半日陰で育ててあげましょう。
病気の心配はほとんどありませんが、ネジラミという害虫がつく可能性があります。
白い粉が吹いてきたら、ネジラミのせいかもしれません。
リトープスは、水や肥料をほとんど与えなくてよいことでも知られています。
成長がとまる6月~9月ごろまでの水やりは必要なく、成長期中であっても、月2~3回程度の水やりが理想です。
構いたくなってしまうかもしれませんが、ぐっとこらえて、適正量の水やりに抑えましょう。
なお、脱皮中の水やりは特に注意が必要です。
脱皮は、古い葉の水分を新しい葉が吸うことで行われますが、水分が多すぎると二重脱皮をしてしまう恐れがあります。
脱皮した後の皮は無理に剥がすのではなく、乾ききって自然に取れるまで様子をみましょう。
無理に剥がすことで、リトープスが傷ついてしまう可能性があります。

増やし方は種まきか株分け
リトープスを増やす方法は、「種まき」か「株分け」の2つです。
リトープスが花を咲かせた後、果実が枯れるまで置いておくと種をとることができます。
種まきをするなら、10~11月ごろがいいでしょう。
種を冷蔵庫に入れておけば、翌年の種まきに最適な時期まで保管しておくことが可能です。
株分けで増やすなら、種まきと同様、10~11月ごろに植え替えを行うついでに株分けします。
根が残るように株を切り分けたら、すぐに植え替えるのではなく、1週間ほど日陰で乾かしましょう。
その後、鉢に植え替えて直射日光の当たらない場所で管理します。
切り分けた株に対してやや小さめの鉢に植えることで、土が乾きやすくなります。
リトープスのように小さな多肉植物であれば、豆鉢や小鉢も向いているでしょう。