ママになるお姉ちゃんへ~初めての「母の日」を祝う~|母の日ストーリーvol.7 絹野志朋

お母さんに「想い」を届ける日。 外に出られないこんな時だからこそ、「母の日」に何を贈ろうか、何を伝えようか考えてみて欲しい。あなたはどんな想いを伝えたいですか?母の日の過ごし方を考えるきっかけになればと、本日から数回に渡り、素敵な母の日ストーリーをご紹介します。 第7回目は、ミスインターナショナルジャパン2020ファイナリストの絹野志朋さんの母の日ストーリーです。


母の日の記憶    

母の日になると、お母さんにお花を贈る。

「育ててくれてありがとう」「これからもよろしくお願いします」「ずっと元気なお母さんでいてね」

いろんな気持ちを込めて、普段伝えられない母への感謝を伝える日だ。

母の日が近づいてきて、その日の出来事が1年、1年と私の記憶に蘇ってくる。

保育園児の時は画用紙いっぱいにカーネーションの絵を描いて渡して、小学生になるとほんの少しのお小遣いから一凛の花を買って、手作りの肩たたき券を添えて渡した。中学生になると、ありがとうと直接言うのが照れくさくなり感謝の気持ちを手紙に書いて、小さな花束に添えた。高校生の時は少しずつ母親のありがたみを感じられるようになって、贈る花に込めた感謝の気持ちがほんの少し重たくなった。大学生になると実家の住所を宛先に、郵便で花の鉢を贈るようになった。

花の贈り方は毎年違ったけれど、今も鮮明に覚えているのは、いつの年も変わらない母の嬉しそうな笑顔。ありがとうって伝えたいのに、逆にありがとうと言われて、心がホッとあったかくなったのを今でも鮮明に覚えている。

いつも迷惑ばかりかけて、心配かけて、困らせて、だけど母の日になると「お母さんに喜んでほしい」というその気持ちだけで自分にできる限りのことをした。「感謝」でもあり、母への「祝い」でもあった。

お母さんになったわたしの大好きな姉

母の日は、そんな母への気持ちを素直に表現できる特別な日だ。

ただ、これは去年までの私にとってのエピソード。今年は、違う。今年、私は母にではなく、姉に花を贈る。

わたしの姉は今月で妊娠10ヶ月に入った。もうすぐで姉にとっての第一子が産まれる。正直、もういつ生まれてくるか分からないほどドキドキの状況で毎日を過ごしている。

「産まれたよ」という連絡がいつ来るか分からない中で、今、この文章を書いている。文字を綴っている。こうしているこの瞬間にも姉のお腹の中にいる赤ちゃんは産まれてくるタイミングを待っている。

妊娠10ヶ月に入った絹野氏のお姉さん

ここでいうのも何だが、私たち姉妹は、ほんとうに仲がいい。他人から見てもそう言われるし、自分たちでも姉妹の仲の良さは自負している。

血のつながった実の姉妹でありながら、親友になってみたり、ライバルになってみたり、ビジネスパートナーになってみたり、時には、恋敵にもなってみたり。(笑)もちろん喧嘩もしたし、馬鹿なこともたくさん一緒にやってきた。全ての苦楽を共に味わってきた、私にとってかけがえのない大切な、大切な人だ。

姉妹の仲は自他ともに認めるほど。姉妹でもあり、友人でもあり、ライバルでもある存在。

姉が母になっていく姿は、美しい。

そのお姉ちゃんが、お腹に子供を授かった。妊娠が発覚してからの10ヶ月間も私たち姉妹は一緒にいることが多かった。

妊娠初期のつわりの症状でしんどそうな姿も見たし、ご飯が食べられない、動く事さえも苦しい、体調が優れない、そんな風に苦しむ姉を見るのは生まれて初めてだった。

お腹に命を宿すということがどんなに大変なことなのかを、私は姉の隣で感じていた。初めての妊娠で、不安に駆られる日々も見てきた。これからの姉の人生が大きく、大きく変わるタイミングだ。母になることを、そう簡単に覚悟できるはずがない。

妊娠するというのは、子供を授かるというのは、とても嬉しいことで、幸せなことで、ありがたいことだ。子供が欲しくても出来ない人だっている中で、お腹の中の赤ちゃんが、私の姉を母に選んでこの世に来てくれたことは、本当に幸せで、嬉しくてたまらない。誰よりもそう感じているのは、まぎれもなく姉だ。産まれてくる子供の話をしている中でそんな姉の気持ちはヒシヒシと伝わってくる。

同時に、姉は母になる不安も抱えている。今まで一人だった自分の体は、もう自分だけのものじゃない。自分の時間は、子供との時間に変わる。自分の人生を、子供と共に生きていく。

妊娠してからの10ヶ月間は1人の女性が、心身ともに「母」になるための準備期間でもある。姉は、妊娠が発覚した時、「まだ全然実感が湧いてない」と言っていた。つわりで苦しんでいたとき、「お腹の赤ちゃんも頑張っているから」と、姉はじっと耐えて見せた。赤ちゃんが少しずつ大きくなってきて、姉のお腹をポコンと叩いたとき、「早く産まれてきたいんだと思う」とはにかんだ。

これから母になる姉。喜びと不安の狭間で母になるための心の準備中。

ベビー用品を1つ1つ揃えているときに、「もうすぐ、もうすぐ」と出産予定日を指折り数えながらワクワクしていた。そして、お腹が大きく膨らんでいくのを感じながら、「もうすぐここから出てくるんだよ~」と赤ちゃんに優しく語りかけていた。そうやってお腹の中の赤ちゃんと向き合う日々の中で、姉の顔つきは、確実に強く変わっていった。1人の女性でありながら、母になっていくその姿を、私は、本当に美しいと感じていた。

だから今年の母の日は、母になる姉を祝う。

初めて感じた、母になることの大変さ。命を授かることのありがたさ。妊娠期間中のいろんな葛藤や、出産直前の緊張感。

全てを隣で見てきたからこそ、姉にとっての初めての「母の日」を全力でお祝いしてあげたい。産まれてくる赤ちゃんの代わりに、私が姉に伝えてあげたい。

「お母さんになってくれてありがとう」

私が今まで母に伝えてきた想いは、きっとお腹の中の赤ちゃんが、彼女のお母さんである姉に、伝えたい想いでもある。だから私が代わりに、姉と赤ちゃんの伝書鳩になって届ける。

母になる姉を、私は誇らしく思う。

ありきたりな言葉かもしれないが、世の中のお母さんたちは、本当に強くて、かっこいい。だからそんな頑張るお母さんに、そして、これから母になる姉に、母でいられることの喜びを感じてほしい。これからも母でい続けることに希望を持ってほしい。

母になる姉に、エールを贈ります。がんばれ、ママ!

今年は母でなく、母になる姉に花を贈る。感謝と頑張れの気持ちを込めて。

産まれてくる赤ちゃんと、母になる姉への祝いに贈る、プレゼント。大切な瞬間を、大切な思い出に変えてくれる贈り物。普段は伝えられないけど本当は言いたかったあの言葉、本当は伝えたかったあの気持ち。全部全部、正直になって伝えられる、魔法の1日。

母の日に、伝えよう。「お母さん、わたしのお母さんでいてくれてありがとう。」

~追記~

母になる姉は、誇らしく、美しい。

本来であれば、私もタイミングを合わせて実家に戻り、姉の初出産の立会いをする予定でした。

しかし、今回のコロナの影響で、母親と赤ちゃんの安全を守るために出産に伴う立会いは控えるよう病院の方から伝えられました。この時期にご出産をされる方もたくさんいらっしゃると思います。

こんな状況下で、不安に思うこともあると思いますが、皆さんが健康で元気な赤ちゃんをご出産されることをお祈りしております。全ての妊婦さんへ、希望を込めて。


絹野志朋(Shiho Kinuno)  1995年4月14日生まれ。富山県出身、神戸大学卒業。大学在学中にミスキャンパス神戸大学に出場し、準グランプリを受賞する。その経験をきっかけに、2019年にはミスインターナショナルジャパンのファイナリストに選出され、「女性の社会進出」を自身のテーマとして活動をする。大学卒業後は関西を中心に活動の幅を広げ、現在はモデルとしても活動している。