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未来に向けたお買いもの(後編)

▼前編はこちらから。

未来に向けた、お買いもの(前編)

 

さて。フェアトレードという活動に興味を持つきっかけをお伺いしました前編に続きまして、

後編では物づくりにおけるリアルな現実と、水野さんの考えるこれからをベジカレーとオーガニックコーヒーを頂きながらお伺いしました。

展示会の一角にカフェカウンタースペースが。

お肉類が一切入っていないのに深いコクがある「ベジカレー」と茅葺の里として有名な美山産のお米のハーモニー。美味しゅうございました。

生産者さんからもらった嬉しい言葉「シサムは大きな木」

神谷:シサムさんはインドやネパール、タイなど様々な国で現地の方々とお洋服や雑貨、コーヒーなど食べ物まで、様々な部分で物づくりに関わっていらっしゃいますよね。

商品開発や、現地での生産者さんとの話しで心に残っているエピソードなどご紹介頂けますか?

水野:多分皆さんが期待しているようなほっこりエピソードって案外少ないんですよ。

僕らが現地の生産者さんに「日本の皆さんに向けて一言お願いします」っていうとね、大体「イッパイイッパイカッテネ~」って言われる。(笑)

神谷:リアルですね(笑)彼ら彼女らにとっては物が売れるかどうかに生活がかかっている訳だから、ある意味めっちゃ正直ですよね。

水野:そう、たくましいですよ~!

ある生産者に「シサムは大きな木」と言われたことがあって。

雨が降った時には休める木陰があって

お腹が空いた時には木の実の成る枝があって

どんな時でも常にそこに在る、揺るぎない存在、と。

それは嬉しかったし、自分達が目指すVISIONに近いと思いましたね。

フェアトレードで「五方良し」の世界へ

神谷:シサムの目指すフェアトレードのVISIONとはどのようなものでしょうか?

水野:昔の近江商人の流儀に「三方良し」というものがあったんですよ。

売り手、買い手、世間の三方向みんなハッピーがいいよね、というやつで。

シサムではそれに社会と地球環境を加えた五方良しを目指した商品やサービスを広めることで地球上の貧困、児童労働や環境問題の解決をフェアトレード活動を通して実現させていきたいと考えています。

つまりは、お買いものの力で思いやりに満ちた社会を作る担い手になろう、ということをVISIONとして考えています。

神谷:お買いものの力、という部分にとても共感できます。

お金を使うという行動に、意味を探している人が増えたように感じます。

消耗型の消費ではなく、投資型の消費というか。

例えばフェアトレードの商品を私たちが選択し、購入することでどのような事が実現できるのでしょうか。

水野:買い叩きなどのない適正金額での取引によって、ストックされるお金で様々な改善ができます。

物作りに必要な設備投資はもちろん、職業訓練学校の設立などで教育を広める為に使ったり、安心して生活できるような医療・保健衛生面の改善に向けて病院や薬局を作るなど。

私たちが当たり前に生活している環境が、当たり前でない場所はたくさんあるのです。

神谷:なるほど。自分が笑顔で購入したものが、誰かの役に立つ何かに繋がっていると考えると嬉しいですね。

そして未来へ。シサムの挑戦

神谷:さて、シサムさんは創立から20年近く、、新しい形でのフェアトレードのパイオニア的存在だと考えています。

今後の展望としてどんなことを考えていらっしゃるのですか?

水野:一つは、もっと広くフェアトレードという活動が認識され、根付くようにしたいと考えています。

良い意味での規模感や影響力って必要だと思うんですよ。

そうしたところで、現在力を入れているのはノベルティ事業ですね。

神谷:ノベルティ事業はどのような意図で行っているのですか?

水野:一番は働き手の拡大です。

シサムではお洋服の売り上げシェアが順調に伸びていますが、お洋服ってある程度以上のスキルが無いと仕事をお願いすることが難しい。

もちろん、現地では職業訓練所のようなところがあるのですが、働きたい意欲のある人が訓練所に通いつつ、工房の空きが出るまで待つのではなく、直線縫いなど単純な作業でも仕事になるようにした糸考えています。

シサムでは2 SMILES NOVELTY(トゥスマイルズノベルティ)を目指しています。

SMILEが複数系なのは貰う側はもちろん、作り手も、環境も笑顔でね、という意味です。

神谷:すばらしいですね!

一般の企業と取り組むことによって、フェアトレードを知らない、興味のない人でもその製品に触れる機会ができるわけですね。

水野:あとは、もっと伝えるという事を丁寧に考えたいですね。

例えばシサムの商品は大体企画期間として現地とのやりとりを含めて1年半位かけるのだけど、それを、ただ「時間がかかる」というネガティブな伝え方をするのではなく「時間がかかる」ことをポジティブに付加価値を付けた発信したいなと考えています。

神谷:シサムさんの商品をお好きな方にはきちんと時間(手間)をかけて作られているということは、きっと響くワードだと思います。

今回お話をお伺いして、私たちが日常的に行っている何かを選んで購入する「お買い物」というアクションから世界が広がっているのだなと感じました。

また、フェアトレードという活動や商品をシサムさんがどのように考えていらっしゃるのかが強く伝わりました。

インナチュラルでもたくさんのお客さまに商品の良さやフェアトレードについて伝えていきたいと考えています。

本日はとても楽しかったです、展示会でお忙しい中ありがとうございました!

水野:またお話ししましょう!ありがとうございました。

代表の水野さんと、インナチュラルを担当下さる笑顔の素敵な多根さんと。