こんにちは、IN NATURAL STYLE編集部です。
多肉植物はぷっくりした肉厚の葉が人気の育てやすい植物です。
存在感のある葉の形はさまざまで、中にはふわふわのうさぎそっくりな可愛らしい形の多肉植物が2種類あります。
「月兎耳(つきとじ)」と「モニラリア・オブコニカ」という品種です。
実物を見るとその独特な姿に一目で心を奪われてしまうかもしれませんよ。
それぞれどのような育て方をすればよいかを解説します。
月兎耳とはどんな多肉植物?
1つ目に紹介する「月兎耳」は、月のうさぎの耳と書いて「つきとじ」と読みます。
その名の通り、葉の形がうさぎの耳のような形とふくらみを持っています。
まるで、うさぎが周囲の音に注意を向けて耳をそばだてているかのようです。
しかも、葉の表面がうっすらと白い細かな産毛で覆われているため、ますますうさぎの耳そっくりに見えてきます。
分類は、ベンケイソウ科カランコエ属の多肉植物です。
カランコエという言葉は聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
カランコエ属は、暑い地方で産まれた多肉植物で100種類以上の多くの品種があります。
初心者でも育てやすいため愛好者が多い品種です。
月兎耳は、葉の縁に沿ってピンクや茶色の模様が入るのが特徴です。
その模様の入り具合によって「福兎耳」「黒兎耳」「星兎耳」「月兎耳錦」などの名前のバリエーションがあります。
どのように違うかはぜひ実物や多肉植物図鑑などで見比べてみてくださいね。

月兎耳が好む栽培環境
月兎耳は、アフリカ大陸の南東から少し離れた西インド洋にあるマダガスカルが原産地です。
マダガスカルは気候区分が熱帯に属するため、月兎耳は暑さには強く寒さには弱い特長があります。
栽培環境は、日が当たり風通しの良い場所が適しています。
しかし、このところの日本の真夏は猛暑、酷暑という30度を超える厳しい暑さが続くことが多くなりました。
夏の厳しい環境下での直射日光は、葉焼けといって葉の色が変色する原因になってしまいます。
そのため、夏の季節だけは直射日光を避け、半日陰の場所に置きましょう。
しかし、日陰過ぎても葉の色がきれいな緑にならず色が悪くなってしまいます。夏以外の季節は、十分に日に当てて日光浴をさせてあげましょう。
多肉植物は肉厚の葉や茎、根などに水分や養分を保持する特徴があるため、うっかり水やりを忘れても枯れない育てやすさが人気の植物です。
水やりは基本的には土が乾いたらたっぷりと与えれば大丈夫です。
春や秋は夕方に、夏は朝や夜に水をあげると良いでしょう。
ただし、寒さに弱い品種のため、冬場の水やりは月に1回程度で構いません。
水の量は、土の表面が湿る程度の量で十分です。
冬は休眠期に入りますので、水を大量に与え過ぎると枯れてしまうことがありますので気をつけましょう。
肥料は、成長期の3~5月、10~11月頃に、ゆっくりと長く効くタイプの緩効性肥料か、薄めた液体肥料を与えます。
必要な栄養分を補うことで、成長を助け色つやもよく健康に丈夫に育ちます。

モニラリア・オブコニカの特徴は?
モニラリア・オブコニカは、ひと目見たら忘れられない独特な形をしている不思議な多肉植物です。
というのも、根元の塊茎がぷっくりと球状で、その球の頂点からうさぎの耳そっくりの2本の葉が上に向かって伸びてくるからです。
その姿はまるでクチがバツ印の有名なうさぎのキャラクターの顔にそっくりな出で立ちをしています。
そもそも、このモニラリア・オブコニカの人気が沸騰したのは、日本のツイッター投稿が世界中に拡散されたことがきっかけです。
確かに頭から耳がニョキニョキと伸びてくる様子がとても愛らしいので、人気になるのも頷ける姿をしています。
伸び始めの頃はVサインをしているようにも見えます。
ただし、この愛らしい形は、耳が伸びるに連れて多少形が変わってくるのです。顔部分も耳の成長に合わせて大きくなればうさぎのままでいられるのですが、そうはなりません。
耳だけがニョキニョキと伸び続けてきます。
まるで徒長したかのような姿でヒョロヒョロと伸び続けます。
その伸びる方向や形がまた可愛いと評判です。
そこまでくると初期の頃のうさぎの顔とは異なる様相を呈していて、どんな形を見せてくれるのか楽しみでもありますね。
成長期のピークになるとピンク色の可憐な花を見せてくれます。
最終的には15cm程まで伸びます。
耳の表面がキラキラと輝いて見えるのは、葉の表面に付いている水滴が白っぽく光っているせいです。
糖分を含んだ細かい水滴が無数に付いているので日に当たるとキラキラとみずみずしく見えるのです。多肉植物は元々水分や養分を貯えておく性質があります。モニラリア・オブコニカは、このように葉の表面に水滴を付けることにより、真夏の厳しい日光や乾燥などから水分の蒸散を防いでいるのですね。
モニラリア・オブコニカはどう育てるの?
モニラリア・オブコニカは、ハマミズナ科モニラリア属に分類されます。
涼しい季節が成長期に当たる冬型の多肉植物です。
10~25度程度の気温を好み、秋から春にかけてが成長期になります。
暑い夏が終わる頃に少しずつ水やりを与え始めましょう。
あまり多く水をあげると葉が長く伸び過ぎ、支えきれずに垂れ下がってしまいフォルムが悪くなってしまいます。
また、水が多過ぎると腐ってしまうこともあります。
耳の部分の葉がピンと立った形で花を咲かせるには、水の量は控えめにするのがポイントです。
夏は、断水をして蒸らさないよう涼しい場所に置いて管理しましょう。
成長期の秋と春には薄めた液肥を与えるか、緩効性肥料を土に少量混ぜておいても良いですね。
冬型の多肉植物とは言っても、冬に雨や雪で濡らしてしまうことは避け、直接雨や雪に当たらない場所に置きましょう。