こんにちは、IN NATURAL STYLE編集部です。
シダを観葉植物として楽しむ人が増えています。
空気をきれいにするエコプラントとしても注目されているシダですが、お世話に手間がかからず丈夫なところも人気の理由です。
シダは大変種類が豊富で、その性質はさまざまです。
それだけに、それぞれの性質に合った育て方をすることが、枯らしたり腐らせたりしないコツになります。
ここでは、人気のシダ系観葉植物の育て方をご紹介します。
目次
1万種類もあるって本当?太古の姿を今に伝えるシダの魅力とは!
シダは世界中に約1万種類あります。4億年以上前の地上に現われ、現代まで生き続けた貴重な植物で、種子植物と違い胞子によって繁殖します。熱帯地域などの高温多湿のエリアに広く分布し、日本にも700種ほど自生しています。耐陰性が高いものが多く、柔らかな光を好む傾向がみられます。
日本でもシダの人気は高まっていますが、とくに有名なものとして「アジアンタム」が挙げられます。薄い小さな葉がかさなりあった姿は、繊細で愛らしく、多くの人に愛されています。流通量が多めなので、見たことのある人も少なくないでしょう。また、艶やかなハート型の葉っぱを持つ「ハートファン」も人気の種類です。
シダ系観葉植物ってどんなもの?
シダは、コケ植物と種子植物のあいだに位置する植物で、茎や葉、根はあるものの花はつけません。種ではなく胞子によって繁殖するところがシダの最大の特徴です。
普段よく見かけるシダの形態は「造胞体」と呼ばれるもので、胞子を作ってこれを飛ばします(無性世代)。飛ばされた胞子は、「配偶体」と呼ばれるハート型の葉に育ち、精子と卵細胞による有性生殖を行って発芽します(有性世代)。これが生長すると、普段目にするシダになるのです。このようにシダは、無性世代と有性世代を交互に繰り返しています。
観葉植物のシダは無性世代のもので、葉をめくると裏側に胞子が並んでいるのが確認できることがあります。しかし、自生しているシダでないかぎり胞子から繁殖することは難しいため、増やすときは別の方法をとることになります。
シダとは、このような特徴をもつ植物の総称です。そのため、大変多くのバリエーションがあります。サイズだけをとってみても、高木になるものから小振りなものまで、多岐にわたります。性質もさまざまで、日光を好む度合いや必要とする水の量、耐寒性などに違いがみられます。つまり、シダとひとまとめにしてとらえるのではなく、それぞれの性質にあったお世話をすることが大切なのです。
育てやすいのは何科のシダ?
シダ系観葉植物のなかで、日本でも育てやすいものといえば、「タマシダ」があります。日本にも自生するタマシダは、日本の気候に合っています。タマシダとは和名で、ツルシダ科のネフロレピス(Nephrolepis)属に含まれます。短い葉をつけて上に伸び、原始的な力強さを感じさせます。暑さと乾燥に強く、初心者でも育てやすい種類です。
また、西洋タマシダとして知られる「ツデー」も人気です。小ぶりで柔らかく明るい色合いの葉が魅力です。苔玉に合わせたり、ハンギングしたりして楽しむこともできます。
タマシダ類は一般に日光を好み、暑さに強めです。ただし直射日光に当てるのは避け、明るい風通しのよい場所に置きましょう。土が乾いたらたっぷりの水を与え、こまめに葉水をすると喜びます。
イノモトソウ科プテリス属の「プテリス」も育てやすい種類で、涼しげな姿が見る人の気持ちを癒します。プテリスは熱帯地方に自生するシダなので、多湿を好み乾燥を嫌います。そのため、土が乾ききる前にたっぷり水を与えるようにしましょう。葉水も欠かせません。強い日射しに弱く、直射日光にあてると葉が枯れてしまいます。
このほか、ワカメのような幅広の葉を持つチャセンシダ科の「オオタニワタリ」や「アスプレニウム」、熱帯植物のような趣のあるリュウビンタイ科の「リュウビンタイ」などは、日本にも自生していて育てやすいシダ系観葉植物です。
日本で流通量の多い人気のシダに、ワラビ科の「アジアンタム」があります。黒く細い茎に、薄く小さな葉を多くつけ、涼しげで可憐です。けれども、アジアンタムを枯らした経験のある人もいるかもしれませんね。その原因のほとんどは水不足です。アジアンタムは熱帯地方に分布し、乾燥に弱く水切れしやすいという特徴があります。乾燥すると葉がチリチリになり、水を与えてももとに戻ることはありません。そのため、常に水切れしないよう心掛ける必要があるのです。また、直射日光も苦手なので、柔らかな日の当たる風通しの良い場所に置くとよいでしょう。
シダ系観葉植物を育てるときのポイントとは?
シダ系観葉植物が枯れてしまう原因の多くが水不足です。とくに、高温多湿の熱帯地方に自生するシダの種類は、非常に乾燥に弱いという特徴があります。ところが、普段なにげなく使っているエアコンは、空気をかなり乾燥させてしまいます。シダ系観葉植物をエアコンの効いた部屋に置くなら、乾燥には充分配慮したいものです。また、直射日光に弱い種類も多いので、半日だけ日に当たる「半日蔭」に置くのがちょうどよい環境といえるでしょう。
乾燥が原因の場合、シダ系植物は一気に弱ってしまいます。ある意味わかりやすいともいえますが、「根腐れ」を起こすと徐々に元気がなくなるので、気づきにくいことがあります。そんなときは、鉢から出して根の様子を見てあげてください。もし、「根腐れ」を起こしたなら、腐った部分を取り除いて、植え直しましょう。
シダ系観葉を増やしたいなら?株分けにチャレンジしよう!
自生のシダ系の植物は胞子で増えますが、観葉植物のシダでは難しいでしょう。しかし、「株分け」すれば、シダ系観葉植物の鉢を増やせます。また、シダの根が育って鉢のなかで窮屈になってしまうと、「根詰まり」の状態になり「根腐れ」の一因になります。そんなときにも、「株分け」してあげるのが効果的です。
シダの「株分け」はとても簡単で、鉢から取り出して優しくほぐし、2~3株に切り分けるだけです。お気に入りのシダがあるなら、「株分け」して鉢を増やし、お部屋や庭をおしゃれに彩ってみてはいかがでしょうか。