庭木としてのオリーブの楽しみ方と管理方法!

オリーブ

オリーブ
Olea europaea
モクセイ科
オレア属
別名 橄欖(かんらん)
原産地 アフリカ
形態 常緑樹高木
耐寒性:普通 / 耐暑性:強い

こんにちは。IN NATURAL STYLE編集部です。
オリーブは美しい銀白色の葉を持つ地中海原産の樹木です。
明るい容姿は洋風の庭にぴったりで、シンボルツリーとしても人気があります。
成長が早いので地植えにして家の目隠しとして活用したり、大きめの鉢でコンパクトな鉢植えに仕立てたりと楽しみ方もさまざまです。
管理自体はそれほど難しくありませんが、育てるにあたって守るべきポイントがいくつかあります。
今回はオリーブの基礎知識や詳しい管理方法についてご紹介します。

 

「オリーブってどんな樹木?」育てる前に知っておきたい基礎知識

オリーブはモクセイ科のオリーブ属に分類される植物です。
細長い楕円形の葉は表側が光沢のある深い緑色、裏側が美しい銀白色を帯びています。
1年を通して緑の葉を楽しむことができ、品種にもよりますが鉢植えでも1.5~2m、地植えでは数m~10mほどに育つ常緑高木です。

スペインやイタリアなど地中海地方が原産で、乾燥に強く日当たりが良く風通しの良い環境を好みます。
初夏には小さなかわいらしいクリーム色の花を咲かせますが、自家結実性が低く自身の花粉では受粉しにくく実がつきにくい性質があります。
実を収穫したい場合には複数の品種の木を植えて他品種同士の花粉で受粉させるか、自家結実性を高めるよう品種改良された木を選ぶとよいでしょう。

結実すると最初の頃は実の色は緑色で、熟していくにしたがって赤から黒へと変化していきます。
実は渋くそのままでは食べられませんが、渋抜きをして塩漬けやピクルスにして楽しむことができます。

 

「どうして人気なの?」庭木としてのオリーブ

庭のイメージを決定づける「シンボルツリー」として選ばれることも多いオリーブの木。
人気の秘密はどこにあるのでしょうか。

やはりオリーブの最大の魅力は、その美しい銀白色の葉にあります。
庭木になる樹木は葉の色が濃い緑色をしたものが多いため、どうしても落ち着いた暗めの印象になりがちです。
その点、オリーブは銀白色の葉色が軽やかな印象で庭をぱっと明るくしてくれる効果があります。
原産地の南欧を思い起こさせる美しい樹姿はテラコッタや緑の芝生との相性も良く、洋風のおしゃれな庭づくりにぴったりの樹木です。

品種によっては10mを超えることもある成長の早い高木ですが、きちんと剪定すれば育ち過ぎることなく適度な大きさを維持していくことも難しくありません。
樹形は自然と楕円形に成長していくため、日当たりと風通しが良くなるよう内側の伸びすぎた枝を間引いていくとよいでしょう。

 

「害虫はつく?実はなるの?」植える前に知っておきたい注意点

「こんなはずではなかった」とならないよう、オリーブを植える前に知っておきたい注意点について見ていきましょう。
まずは気になる害虫についてご紹介します。

オリーブはもともと樹勢の強い丈夫な樹木ですが、自然界にはオリーブを好む害虫が存在します。
その代表格として挙げられるのが、オリーブアナアキゾウムシです。
外国には存在しない日本固有種で、オリーブの木が日本に入ってくる前はオリーブと同じモクセイ科に属するネズミモチなどの木を食べていました。
オリーブの根元に産み付けられたオリーブアナアキゾウムシの卵が孵化すると幼虫は木の中を食い荒らしながら成長し、オリーブの木が枯れる原因になります。
この害虫が発生すると木の根元に穴が開いたり、おがくずのような粉が出ていたりといった兆候が見られます。
これらのサインを見逃さないためにも、オリーブアナアキゾウムシの温床となる木の根元の雑草はしっかり抜いておきましょう。
予防法としては、葉や実を避けて木の根元に薬剤を散布するのが効果的です。

また、葉の柔らかい苗のうちは特に、スズメガイボタガなどの幼虫にも注意しましょう。
食欲旺盛なイモムシがオリーブの葉を食い荒らすため、発見が遅れると木が丸坊主になってしまう可能性もあります。
木の周りに成虫を見つけたら葉に卵が産み付けられていないか確認し、幼虫も発見次第駆除しましょう。

さらに葉や実を食べるハマキムシなどがいます。
ハマキムシは特に柔らかな新芽などを好んで食べ、葉の先を葉巻のように糸で巻き込みます。
大量発生した場合は薬剤で駆除する方法もありますが、葉先の丸まった部分を除去する方法でも効果があるので見つけ次第摘み取ってしまいましょう。

害虫のほかに注意しておきたい点として、オリーブの実の収穫についての問題があります。
基礎知識の項でもご紹介したとおり、オリーブの木は基本的に自身の花粉では受精しにくい性質を持っています。
そのためまとまった量の実を収穫するには異なる品種のオリーブを複数本植え、それぞれがちょうど同じ時期に花を咲かせるように育てなくてはなりません。
しかし、家庭の庭に樹勢の強く大きく成長するオリーブを何本も植えることは難しい場合が多いため、通常は実の収穫は見込まずに美しい樹木の姿や葉を楽しむのが一般的です。
品種改良により自家結実性を高めた品種であれば一本の木でも実がなりますが、渋みの強い実を利用するには渋抜きなどの手間暇がかかるため、実際には実りの様子を鑑賞して楽しむにとどめるケースが多いでしょう。

また地中海原産のオリーブは洋風の庭によくマッチしますが、逆に和風の庭にはあまり似合いません。
植える前に自宅の庭の雰囲気や、これから作っていきたい庭の方向性をしっかりと定めて確認してから導入しましょう。

 

「元気に育てるためには?」オリーブの管理方法

次に、オリーブの木を健やかに育てるための管理方法についてご紹介します。
多湿を嫌い、やや乾燥した環境を好むオリーブの用土には、水はけのよい土を選びます。
鉢植えの場合、土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりをしましょう。
鉢底から水があふれて流れ出るくらいの量が目安です。
あふれ出た水が鉢の受け皿にたまったら、根腐れ防止のために必ず捨てます。
地植えの場合は土質にもよりますが、植え付けしたばかりで根が安定しない木や生育期の若い苗木を除けば、基本的にはほとんど水やりの必要がありません。

肥料は早春の2月ごろと秋の10月ごろに施します。
早春にはこれから活動を開始して新芽や花芽をつける木がパワーをつけられるよう、有機質肥料と速効性のある化成肥料を与えるのも効果的です。
秋には花や実をつけた木の疲労回復のために、やはり有機質肥料か化成肥料を与えます。

オリーブがかかりやすい病気には、炭そ病梢枯(しょうこ)病があります。
炭そ病にかかるとオリーブの実が茶色や黒色などに変色してどんどん広がっていきます。
梢枯病では枝の先端が茶色く変色していき、次第に葉が落ちて木全体に病気が広がって枯れていきます。
いずれも同じ炭そ病菌と呼ばれるカビの一種が原因で引き起こされる病気で、梅雨時など湿度の高い時期に発生しやすい病気です。
病気にかかった実や葉、枝を見つけたらすみやかに取り除き、多湿を避けるために水はけと風通しをよくしましょう。

剪定は「伸びたら切る」といったやり方で細かに枝を切っていると樹勢が落ち着かず、花や実もつかないため適期に行います。
3月から4月には枝の量を調整して、必要のない部分を間引きましょう。
混み合って生えた枝を根元から切ると風通しが良くなり、日当たりや風通しが良くなります。
9月から10月には初夏から秋にかけてどんどん伸びた枝を整えて、樹形を美しく保ちます。
仕上がりの姿をイメージしながら、伸びすぎた枝の葉と葉の間にハサミを入れて切り戻しを行いましょう。
大きな枝を切り落として全体の樹形を修正する強剪定を行う場合は、オリーブの木が休眠している1月から3月に行うのがベストです。

 

太陽が大好き!オリーブを植えるのに適した場所は?

地中海原産のオリーブは明るい太陽の光が大好きです。
そのため、たっぷりの日光と長い日照時間が確保できる場所に植えてやることが、オリーブの健やかな生長にとってとても重要な条件になってきます。
樹勢が強く枝葉をぐんぐん伸ばすため、広い場所に植え付けた場合は自然な樹形を楽しめます。
植え付け場所が狭い場合、木の最も太い枝を中心にして縦長の形に木を剪定する「主幹形」に仕立てると、すっきりとした印象になるでしょう。

オリーブは家族を見守るシンボルツリーとして、または洋風の庭のアクセントとしておすすめできる樹木です。
日当たりや風通し、土質などに注意して元気なオリーブを育ててみましょう。