梅の季節がやってきた!「梅」の名を持つ様々な植物たち

こんにちは、ガーデンプランナーの栁澤です。

街を歩いていると、ちらほらと梅の木の蕾が膨らみ色づいているのを見かけるようになりました。雲ひとつない冬晴れの空に、白や赤、ピンクの花がよく映えますね。

今回は、そんな梅の季節をより楽しんでいただくために、様々な梅のご紹介。日本古来から親しまれている梅はバラ科の植物ですが、梅に似た花を咲かせるからという理由で「梅」の名を持つ、違う種類の植物たちもたくさんいるのです!分類学上は違う種類ですが、梅にも色々あるんだな〜という発見をしていただければと思います。

冬に見頃の’梅’の名を持つ植物たち

王道の梅

バラ科サクラ属/落葉高木

古くから親しまれ、和歌や俳句で詠まれることも多い花木です。2〜4月に咲かせる花には白や赤、ピンクの色があり、ぷっくらとした蕾から5枚の花びらをもつ花を咲かせる姿がとっても可憐。花の後に葉が生い茂り、梅の実を実らせます。昔から品種改良が盛んに行われ、花びらの枚数の多い品種や複数の色の花を咲かせる品種なども出回っているようです。

なかなか見分けがつかないのが梅の花と桃の花ですが、ゴツゴツとした幹に花だけ先に咲くのが梅に対して、少しツルツルとした幹に花と新しい葉が開いてくるのが梅、と覚えておきましょう。

 

枝垂れ梅

バラ科サクラ属/落葉高木

枝垂れ桜は有名ですが、梅の一種に枝垂れ梅もあります。桜よりも早く開花し、少し重量感のある花をたくさんつけるのですぐに分かるでしょう。淡路島にある樹齢60年の「八木の枝垂れ梅」が有名で、名古屋でも枝垂れ梅に限定したお祭りが行われているようです。

 

蝋梅

ロウバイ科/ロウバイ属/落葉低木

12月中旬〜2月頃に薄黄色の花を咲かせる、甘い香りで有名な花木です。梅に似た花を咲かせ、花びらの表面がツルツルで蝋細工のようなので、「蝋梅(ろうばい)」と名付けられたようです。中国では、梅・水仙・椿・蝋梅の四つの花を合わせて「雪中四花」と呼び古くから尊ばれてきました。日本でも、甘い香りが人気を呼び、生け花や茶花に用いられてきました。

冬に淡い黄色でおしとやかな木を見かけたら、まずこの蝋梅であることが多いので、ぜひ立ち止まって甘い香りを嗅いでみてくださいね。

 

御柳梅

 

フトモモ科/ギョリュウバイ属/常緑低木

こちらは少しマイナーな木ですが、見かけたらすぐに分かるかと思います。ニュージーランドやオーストラリア原産で比較的寒さにも暑さにも強いので、年中葉をつける常緑性です。花は12月〜5月頃と長く、濃いピンクや赤の色が主ですが、白や薄いピンクなどもあり冬のお庭を彩ってくれます。名前の由来は、中国原産の「御柳」という木の葉に似た葉をつけ、花は梅のような形のため「御柳梅(ぎょりゅうばい)」となったそうです。

冬の時期、IN NATURALの店舗でも取り扱うこともあり、寄せ植えにも人気の低木です。ぜひ探してみてくださいね。

 

黄梅

モクセイ科/ソケイ属/半つる性落葉低木

こちらも少しマイナーな木ですが、やはり梅の花に似た花を咲かせる花木です。2月〜4月頃、蝋梅と同じ黄色の花を咲かせますが、蝋梅は透明感のある花なのに対して黄梅はのっぺりとした印象がある花なので、見分けやすいです。

黄梅も中国が原産ですが、分類上はジャスミンの仲間になり「ウィンタージャスミン」の英名をもっています。また中国では、どの花にも先駆けて花を咲かせるため、「迎春花」と呼ばれるそうです。国土の広い中国では植物の原産地となることが多く、そのため花の名前や呼び方も特徴からの名前でなく季節や特性に合ったものが多い気がします。とても素敵な文化ですよね。

初夏に咲く’梅’の名を持つ植物たち

銀梅花

フトモモ科/ギンバイカ属/常緑低木

こちらは冬に花を咲かせる梅とは開花期が全く違い、5〜6月頃に芳香のある白い花を咲かせます。マートルとも呼ばれ、ハーブとしても有名な花木です。ヨーロッパでは結婚式の際、花嫁の花冠に使われることが多く、祝いの木としても親しまれています。

やはり梅の花に似た、白い花を咲かせることから「銀梅花」と呼ばれているそうですが、銀=白?という色の部分の解釈は諸説ありそうです。また香りが良いことから、「銀香梅」や「銀香木」とも呼ばれます。花の後につく実はブルーベリーのような見た目をしていて、楽しみどころ満載で人気の花木なのです!

 

利休梅

バラ科/ヤナギザクラ属/落葉低木

こちらは本物の梅と同じくバラ科の、中国原産の花木です。4〜5月に真っ白でひらひらとした花を咲かせます。やはり梅に似たまんまるの蕾から、5枚の花弁をもつ花を咲かせます。初夏の明るいグリーンに白い花がよく映え、個人的にイチオシの花木です。

おしとやかで品のある花姿が古くから好まれ、茶花としてよく利用されてきたようで、そのイメージから千利休にちなみ「利休梅(りきゅうばい)」と名付けられたようです。時期になるとお花屋さんでも枝物として売り場を彩っているので、見てみてくださいね。

金糸梅

オトギリソウ科/オトギリソウ属/半常緑低木

こちらはよく街中の植え込みに使われるので、見た事のある方もいるかもしれません。梅雨の前後6 〜7月頃、明るい黄色でこれまた梅の花に似た花を咲かせます。中国原産で、黄色=金色の花を、少し枝垂れた枝=糸?の先に咲かせるので「金糸梅(きんしばい)」とよばれています。

本物の梅の花よりもひとまわり大きめですが、花の形やめしべ・おしべのつきかたがとても似ていて、この黄色の花が一面に咲くと明るく可愛らしい雰囲気を出してくれます。

またこの金糸梅によく間違われやすいのがビヨウヤナギです。同じ時期に同じような色の花を咲かせ、遠くから見るとほとんど見分けがつきません。ただ金糸梅はやはり梅に似たまんまるのお花ですが、ビヨウヤナギはもっと花弁がひらひらとしていて、おしべが長いのが特徴です。見かけたら、どっちだろ〜?とよく観察してみてくださいね。

 

花の特徴で名付けられた植物たち

今回は季節の梅に焦点を絞り、「梅」の名前を持つけど「梅」ではない植物をご紹介しました。

古くから親しまれているからこそ、他の植物の名前にも入れられた、そんな植物はまだまだたくさんいます。探ってみると奥深い、植物の名前の世界。見た目綺麗だから、可愛いから、分類とか遺伝子とか違くてもそれでいいじゃん。そんな解釈でももちろん構いません!ただ歴史や名前の由来を知ると、その植物がより愛おしく思えてくるのは間違いありません。

花の彩りの少ない冬の今の時期、ぜひそんなことを考えながらお散歩してみてくださいね。