Jacaranda
ノウゼンカズラ科 ジャカランダ属 |
別名 | 紫雲木 |
原産地 | 中南米 | |
形態 | 落葉高木 |
耐寒性:弱い / 耐暑性:強い / 耐陰性:なし
こんにちは、IN NATURAL STYLE編集部です。
ジャカランダは日本ではあまり馴染みのない花木ですが、ホウオウボクやカエンボクと並んで世界三大花木のひとつとされる美しい木です。
つりがね草に似た美しい青紫色の花がひとつの花房に50~90個ほど密集して咲き、満開時には樹木全体が青紫色に染まります。
地植えにして育てれば15mにもなる大木ですが、もっと手軽に観葉植物として鉢植えで育てることもできます。
今回は、ジャカランダの特徴や育て方をみていきましょう。
オーストラリアでは街路樹としてポピュラー
ジャカランダはシソ目ノウゼンカズラ科に属する、中南米原産の落葉高木です。
キリモドキ属、またはジャカランダ属と呼ばれています。
世界中に約50種類ほどの品種があり、日本では、ジャカランダ・ミシモフォリアやジャカランダ・カロバなどが栽培されています。
地植えで育てた場合の樹高は、低いものでは3m、高いものでは30mに達することもあります。
葉は柔らかみのある黄緑色で、形はアカシアやねむの木、もしくはシダの葉によく似ており、繊細で小さな葉が鳥の羽のように並びます。
美しい青紫の花はもちろん、この小さくて涼しげな葉も観賞用として人気です。
オーストラリアでは「春を告げる花」として愛されており、主に街路樹として植えられています。
グラフトンという町では約7000本のジャカランダの街路樹があり、開花の時期になると「ジャカランダフェスティバル」というお祭りが行われるほどです。
フェスティバルでは、ジャカランダ・クイーンコンテストを行ったり、ジャカランダと同じ青紫色の服を着たりして楽しむそうです。
日本ではあまり見ることはできませんが、熱海海岸通りや大田区蒲田の環状8号線沿いなどで高木を見ることができます。
また、宮崎県日南市には日本で唯一、約1000本のジャカランダ群生林があり、毎年「ジャカランダまつり」を開催しています。
誇らしいジャカランダの花言葉
ジャカランダの花言葉は、「名誉」「栄光」です。
小さなラッパのように見える花の形が、トランペットのファンファーレをイメージさせることからこの花言葉が付けられたといわれています。
ジャカランダの神秘的な青紫色の花は、気高く高貴なイメージがあり、この花言葉にふさわしい気品と威厳を兼ね備えているのではないでしょうか。
縁起の良い花言葉を持っているため、自分で育てて鑑賞するのはもちろん、贈り物としてもよろこばれそうです。
日本でいう桜!ジャカランダの特徴
ジャカランダの開花時期は5月から6月です。
南半球の桜」ともいわれており、日本では春から初夏にかけて開花します。
日本の桜と同じように花だけが木全体を覆うように咲き誇り、花の散った後は辺り一面が青紫の花びらで敷き詰められます。
品種によって色が異なり、ジャカランダ・プベルラやジャカランダ・カロバは濃い紫色をしています。
また、ジャカランダ・ミモシフォリアホワイトのように、白い花を咲かせる品種もあります。
神秘的で美しい花が一番の特徴ですが、大きく育たないと花をつけることが難しいため、個人で栽培する場合、葉を鑑賞するための観葉植物として楽しむ人が多いです。
釣鐘状の花はひとつの花房に50~90個ほどもつきますが、マリのように丸くまとまって咲いているためぶどうのようにも見えます。
花の後には実がなり、種を採取することもできます。
害虫注意!ジャカランダの育て方
ジャカランダは中南米原産の樹木のため、暑さと乾燥に強く、寒さは苦手です。
温暖な春から秋にかけて成長するので、この時期は外に出し、日当たりの良い場所、もしくは明るい日陰で日光を十分に浴びるようにします。
室内だけで育てようとすると、日差しが足りないため生育が悪くなってしまいます。
秋になって葉が黄色く変化してきたら室内に移し、冬は暖かい室内でガラス越しによく日光を当てるようにします。
日射量が少ないと落葉してしまうので気を付けましょう。
また、寒さに弱いため、0℃以下の環境では枯れてしまいます。冬を越すためには温度管理も大切です。
水やりは、春と秋は土が乾いてから水やりをするようにします。
夏は乾かないように水やりしましょう。冬は乾燥気味に管理するようにします。
また、通年にかけてすず病が発生しやすいため注意が必要です。
カイガラムシがつかないようにすると発生しません。
葉水を行って害虫を防ぐのが効果的です。
ジャカランダは成長が早く、樹形が乱れやすいため剪定を行います。
新しい枝がたくさん生えるように新芽の先は摘み取るようにしましょう。
伸びすぎた枝やこみ合っている枝は切り詰めて、バランスのよい樹形に仕立てていきます。
また、花を咲かせた場合、花が終わったらすぐに切り戻しを行います。
花芽は晩夏から初夏にかけて枝の中で作られているので、夏以降に切り戻しをしてしまうと翌年花が咲かなくなってしまいます。
日本では馴染みがないからこそ楽しみたい
ジャカランダは寒さに弱いため、一部の温暖な地域を除いて、日本の気候では地植えで育てるのは難しい木です。
しかし、美しい花だけでなく、涼しげで柔らかな葉も観葉植物として非常に美しく、長く楽しむことができます。
日本ではまだ馴染みのない観葉植物ですが、きちんと育てて楽しみましょう。