こんにちは、IN NATURAL STYLE編集部です。
自宅で紫陽花を育てるときに、ピンクや青など、自分の思い通りの色の花を咲かせたいと考える人も多いでしょう。
紫陽花の花の色は、土の作り方を工夫することで調節できます。
また、上手に育てるためには植え付けの時期や苗選びのポイントについても押さえておくと安心でしょう。
今回は、自宅で紫陽花を育てたいと考えている人に向けて、紫陽花の植え付け方法などについて解説していきます。
紫陽花の植え付けの時期とは?
紫陽花の苗を植え付けるのに適した時期は3月頃か9月頃です。
これはちょうど根が休眠から目覚める時期、あるいはこれから休眠に入る時期に該当するため、多少根を触っても問題はありません。
紫陽花といえば地面から大きく生えているイメージがありますが、地植えではなく鉢植えでも育てることができます。
特に、好みの花色で育てたいという希望がある場合は鉢植えのほうが管理しやすいため、鉢植えで育てるのがよいでしょう。
鉢植えで育てている場合、根が鉢いっぱいに伸びて根詰まりを起こしてしまう前に植え替えをする必要があります。
すでに根詰まりを起こしており、なるべく早く植え替えをするべき状況であれば3月か9月でなくても植え替えてあげましょう。
真夏か真冬でさえなければ、紫陽花はどの時期であっても植え替えを行うことができる植物です。
鉢の底から根が突き出していたり、土の表面に根が浮いていたりする場合は根詰まりを起こしているため、早めに大きめの鉢に植え替えてあげましょう。

紫陽花の色は土で決まる
紫陽花の花の色を自分で調節したいという人は、植え付ける際の土の選び方に気を付ける必要があります。
紫陽花には、土壌のpHによって花の色を変えるという性質があります。
つまり、酸性の土壌であれば青の、アルカリ性の土壌であればピンクの花が咲くのです。
このメカニズムには、紫陽花の花の発色にアントシアニン系の色素が作用していることが関係しているといわれています。
アントシアニン系の色素はアルミニウムと結びつくことで青く発色します。
そのため、紫陽花が青い花を咲かせるためには根が土壌からアルミニウムの成分を吸収する必要があるのだといえるでしょう。
また、酸性の環境下でなければアルミニウムが土壌に溶け出すことはありません。
したがって、紫陽花を植えた土壌が酸性であればアントシアニンとアルミニウムが結合して青い花が咲きます。
反対に、土壌がアルカリ性であれば青い色素が生まれないので赤い花が咲くということになるのです。
なお、白い花を咲かせる紫陽花の場合は色素を持たないため、土壌のpHが花の色に影響を及ぼすことはありません。

土壌のpHによって花の色が変わるという性質上、紫陽花の花を狙った色にしたいのであれば鉢植えで育てるのが適していることは明らかです。
鉢植えで青い花の紫陽花を育てたい場合、小粒の赤玉土と腐葉土、ピートモスを順に5:3:2の割合で混ぜ合わせると適度に酸性の土壌が作れます。
また、青い花を咲かせるための土は市販されているものを使うのもよいでしょう。
ピンクの花の紫陽花を育てたい場合、まずは小粒の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて土を作ります。
さらに、アルカリ性にするために一握りの苦土石灰という肥料を混ぜ合わせ、2週間ほど寝かせれば土壌の完成です。
ちなみに、日本の土壌は基本的に弱酸性なので、地植えした紫陽花の多くは青い花を咲かせます。また、赤い花を咲かせるために土壌をあらかじめアルカリ性に整えておいたとしても、雨が降ると酸性に傾いてしまう傾向があります。
ちゃんと赤い花が咲くかどうか心配だという人は、春先に一握りの苦土石灰を土壌に加えておくとよいでしょう。
紫陽花の植え付けは苗選びから
紫陽花の植え付けを行うときは、毎年4月頃に店頭に並ぶ、すでに開花している鉢を選んで行うのが一般的です。
このとき、花の色や咲き方などをよく確認して購入するようにしましょう。
また、品種によっては手入れの方法が異なることがあるので、購入する株の品種も把握しておく必要があります。
購入後は、開花鉢の花が咲き終わったタイミングで剪定して植え付けることになります。

紫陽花の植え付け方法とは?
紫陽花を鉢に植え付ける際の手順として、まずは花の側から数えて2節目の2cm程度上の位置で茎を切ります。
次に、開花鉢よりも一回り大きな鉢に鉢底ネットを入れたうえで、平らになるように鉢底石を敷きましょう。
そして、開花鉢から苗木を抜き、根鉢を剪定ばさみで崩しながら一回り小さくしておきます。
先ほど用意した鉢に少し用土を入れたら、苗木を置いて用土で隙間を埋めていきましょう。
このとき、水やりの水がある程度ためておけるように土の高さを調節しておきます。
その後、鉢底から水が流れ出るまでじょうろで水をやれば作業完了です。
地植えにする場合は、開花鉢よりも大きめに穴を掘り、穴の約3割が埋まるように腐葉土を入れておきます。
その穴に、地表と苗木の根本が同じ高さになるように苗木を植えて土をかぶせれば完成です。

しっかり植え付けて梅雨を彩る紫陽花を
紫陽花を初めて植え付けるのであれば、花の色も調節しやすい鉢植えが適しています。
一方で、とにかく紫陽花をたくさん咲かせたいのであれば地植えがよいでしょう。
紫陽花を育てるときは、庭のスペースや育てやすさを考慮したうえで植え付け方法を選ぶようにしましょう。