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サボテンの種類が多すぎて複雑!どんな分類方法がある?

こんにちは、IN NATURAL STYLE編集部です。
サボテンの種類は約10000種、園芸品種や変種を含めるとその数は30000種を超えるといわれています。
「サボテンを育てているので詳しく知りたい」「種類を増やしたい」と思っても、目の回りそうな数に困惑するでしょう。
さらに、資料によっては独自の分類方法があったりと、園芸を趣味にしている人でさえ混乱してしまいます。
そこで今回は、複雑なサボテンの分類方法をわかりやすく整理して解説します。

広大無辺なサボテンの世界、植物学から分類すると?

サボテンは、植物学上では「サボテン科」に属する多年生の多肉植物です。
メキシコを中心にアメリカ大陸の乾燥地帯とその周辺の島々に広く分布しています。
筒形から楕円型、花を咲かせるものなど、その形状・色・大きさは数えきれないほど多種多様です。
独立した1科を持ち、園芸分野では多肉植物とは分けて考えられています。

多肉植物は温暖な気候の場所では、世界中いたるところに自生していますし、育てる環境もさほど選びません。
これに対してサボテンは、アフリカのサバンナやメキシコ、アルゼンチンの乾燥した高地に自生し、夜は冷え込むような比較的寒い地域で育ちます。
両者の生息地以外の決定的な違いは、「刺座(シザ)」の有無です。
「刺座」とは、サボテンの棘の付け根にある白い綿毛のようなものを指し、アレオーレとも呼ばれています。
棘のないサボテンは存在しますが、「刺座」のないサボテンはありません。
つまり、「刺座」があればサボテンで、なければ多肉植物なわけです。最も簡単な見分け方です。

サボテンを多肉植物の生育期で分類すると3種類

多肉植物は、生育する季節により「冬型」「春秋型」「夏型」の3つに分けられます。
「冬型」は生育低温が5~20℃で、秋に生育して夏に休眠します。
低温を好みますが、極寒には弱いものがほとんどです。
「春秋型」は春・秋に生育して夏・冬は休眠、「夏型」は春・秋に生育し、夏に休眠というサイクルです。

サボテンのほとんどは「夏型」です。
砂漠に生息していることから水を必要としないイメージがあるかもしれません。しかし実際は、水なしでは枯れてしまうし、あげすぎても根腐れを起こすという水やりの加減が難しいデリケートな植物なのです。
サボテンの場合は、多肉植物に比べて夏は生育が弱まりますが、完全な休眠ではありませんので、水やりにはさらに慎重さが求められます。
夏だからといって水をやりすぎると枯れてしまいます。

サボテンを元気に育てるには、「生育期」と「休眠期」に応じて水やりの頻度を変えることです。
「生育期」である春と秋には表土が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。生長が弱まる夏は2週間に1回、生育が停止する冬は3~4週間に1回というように、生育サイクルを意識して水やりを加減しましょう。
また、植木鉢は水はけのよい底に穴の開いたものを選び、風通しがよく日差しの当たる場所で育ててください。
ただし、夏の強い直射日光を当ててしまうと葉が焼ける原因となりますので注意してくださいね。

専門機関の分類は複雑!5つの「亜科」について

国際多肉植物研究機構(IOS)によると、サボテンはまず5つの「亜科」に分類され、そこからさらに「連」「属」「種」に細かく分類されています。
1つ目の「ペレスキア(コノハサボテン)亜科」は、たくさんの枝がある一見して通常の低木にしか見えない変わったサボテンです。
ブラジルやメキシコに自生していますが、日本では杢キリンが有名です。
接ぎ木に利用されることもあり、白い花は野バラに似ています。

2つ目の「カクタス(ハシラサボテン)亜科」は、オーソドックスな円柱状のサボテンが属しています。
棘なしのサボテンもよく見られ、上に向かって生長していくため高さが10m以上になるものもあります。
3つ目の「オプンチア(ウチワサボテン)亜科」は、茎が多肉質で楕円形や円筒状に茎節を連ねた姿が特徴的です。棘の表面に返しがついていて、刺さると抜けずに折れるため触ると厄介ですね。主な種類は、クジャクサボテンやスミエボシ・バニーカクタスなどです。

4つ目は1属2種を含む「マイフェニア亜科」です。
小型でマウンド状に群落を作ります。
原産地はチリ・アンデス地方の一部と、南アメリカ・パタゴニアです。
過湿や強風にも耐え、マイナス10℃以下の寒さも平気というタフなサボテンです。
5つ目の「ブロッスフェルディア亜科」は、世界最小のサボテン「ブロッスフェルディア・リリプタナ」が属しています。
アルゼンチンからボリビアを原産としており、1cmほどの扁平な球体で、棘も硬い表皮もありません。
一見するとキノコのようにも見える奇妙な姿は、一部の愛好家に好まれています。

見た目の特徴で分類すると?9種類のユニークなサボテンたち

サボテンを外見の特徴で分けてみましょう。
サボテンの中でもっとも巨大な棘を有する「強刺類」は、赤や紫の棘を持つフェロカクタスやエキノカクタスが代表格です。
ゴツゴツした質感の「牡丹類」や、大きな刺座が星を散りばめたように見える「有星類」は、その愛らしい姿がサボテンの中でも特に人気ですね。
大輪の花を咲かせる「花サボテン」や「球形花座サボテン」は、黄色や赤・オレンジの花々がとても美しいです。

サボテンには基本種の他に、突然変異でユニークな色や珍しい形のものがあります。
子株が群生している「群生種」や、斑の入り方で価値が左右される「斑入り種」は、パッと目を引く形でありながら独特のかわいらしさがあります。
成長点が帯状に広がった「綴化(せっか)種」、グロテスクな外見から「モンストローサ(怪物)」とも呼ばれる「石化種」は、その珍奇な形が好事家の間では評判です。

サボテンの品種は増え続けている

サボテンは品種改良を繰り返しながら、現在もどんどんと種類を増やしています。
そのうえ、研究が進むにつれて分類方法も変化していくため、これからサボテンを育てたい人は、特徴による分類を覚えておくと便利ですね。