こんにちは、IN NATURAL STYLE編集部です。
多肉植物は、種類やサイズが豊富で寄せ植えも楽しめます。
他の植物と比べて育てるのも簡単で、家庭で観賞するだけでなくギフトとしても人気の高い植物です。
繁殖力が高く、タイミングさえ見計らえば、初心者でも意外に簡単に繁殖させることができます。
そこで、多肉植物の成長の特徴や増やし方、繁殖させる際の注意点などについて解説します。
多肉植物は繁殖しやすい
多肉植物は、繁殖させやすい植物です。
種類にもよりますが、根元の部分から株芽が出やすく、そのひとつずつが立派な株として成長していくのが特徴です。
株芽から切り分けて置いておくだけでも土に根付き、成長が早くて花もつけやすいので、1つの株をもとに増やして楽しむことができます。
季節を選べばより増やしやすくなります。
夏型や春秋型の多肉植物は生育期の少し前の時期が、冬型の多肉植物は休眠から目覚めるくらいの時期が繁殖に適しています。
例えば、夏によく育つサボテンやアロエは、3〜5月頃に繁殖させるのがよいでしょう。
冬によく育つアエオニウムなどは夏の間は休眠しているので、9~11月頃の繁殖が最適です。

多肉植物の増やし方1:株を分ける
株を分けることで繁殖させるのが向いている多肉植物には、エケベリアやハオルシア、アガベやセンペルビブムなどがあります。
株分けは、タイミングを見計らって行うことが大切です。
土に植わっている根元の部分を観察して、親株から株芽が出ていたらちょうどよいタイミングです。
土が湿った状態だとうまくいかないので、株分けを行う1〜2週間ほど前から水やりを控えるようにしましょう。
株を分けるためには、まず土をはらう必要があります。
鉢を軽く叩いてから、ピンセットなどで根の下のほうからゆっくり持ち上げるようにして、鉢から株を掘り出します。
根に残っている土は、新聞紙などの上でよく落としましょう。
次に、ハサミで子株を切り離します。
親株から枝分かれしている部分をカットしますが、このときどちら側にも根がついた状態にして、土に挿す部分が残るようにするのがポイントです。
なお、ハサミは事前によく消毒して、茎に雑菌が入らないように気をつけます。ライターなどであぶってからアルコールで拭くとよいでしょう。
子株を切り離すことができたら、清潔な土に植え直します。
このとき、切り口が大きいようなら植える前に1日程度乾燥させると雑菌が繁殖しにくくなり安心です。
土は自分で配合してもよいですが、ホームセンターなどで市販されている多肉植物用のものも利用できます。
植えた直後は根腐れしやすいので、水をあげるのは1週間程度たってからにするのがポイントです。

多肉植物の増やし方2:挿し木をする
セダムやクラッスラ、アエオニウムなどは挿し木をすることで繁殖させるのが向いている多肉植物です。
これらの植物が「徒長(とちょう)」してしまった場合は、挿し木をすると形を整えながら増やすことができます。
徒長とは、枝や茎が必要以上に伸びてしまい、間延びしたような状態の成長のしかたです。
挿し木をするには、まず伸びてしまった茎を頭の下の部分からハサミでカットします。
種類によっては茎全体にまばらに葉がつくものがありますが、その場合は頭の下に3枚ほど葉が残る位置でカットしましょう。
カットできたら、頭の下側の葉を2〜3枚取り除いてから切り口を乾燥させます。乾燥が必要なのは、すぐに植えてしまうと腐りやすいためです。
乾燥させる際は、寝かせた状態で放置すると茎がカーブしてしまうので、口の細い容器にまっすぐ立てるのがよいです。
風通しのよい日陰に立てた状態で置いておけば、数日ほどでカットした部分から新しい根が出てきます。
綺麗な瓶に飾っておけば、根が出るのを待っている間も観葉植物として楽しめますね。根が出たのを確認できたら、新しい土に挿して完成です。
親側のほうも、カットした場所あたりから数日で新しい葉が出てきて成長しはじめます。
また、取り除いた葉はこのあと説明する「葉挿し」で増やすことができるので、捨てないようにしましょう。

多肉植物の増やし方3:葉挿しをする
葉が小さいタイプの多肉植物は、葉挿しで増やすのに向いています。
葉挿しでの多肉植物繁殖は、株分けや挿し木に比べると成功率は低いですが、1枚の葉からでも増やすことが可能です。
この方法なら、挿し木をするときに取り除いた葉や、ぶつけてポロッと取れてしまった葉も繁殖に使うことができます。
葉挿しするには、まず元になる葉を用意しましょう。
親になる植物の葉の部分を指でしっかりつまんで、左右に揺らすようにしながら1枚ずつ摘んでいきます。
このとき、水をあげたばかりだと取りづらいので、やや乾燥した状態で行うのがコツです。
また、葉挿しでは葉の根元の部分から新しい株が成長するため、根元がきれいに残るように葉を取っていきましょう。
葉が用意できたら、平たい容器に乾燥した土を敷いて、その上に仰向けに並べるようにして置いていきます。
「葉挿し」といっても実際には土に挿すのではなく、そっと置くだけです。
そのまま水をあげずに、室内などの直射日光の当たらない場所で根が出るのを待ちます。
数日で根が出てくるので、1cmほどになったら軽く土をかぶせて霧吹きなどで少しずつ水分を与えていきましょう。
それから数カ月ほどの間に次第に新しい株が成長し、同時にもともとの葉はだんだんしぼんで枯れていきます。
これは、葉に含まれる養分が成長のために使われているためです。
株がある程度成長したら、新しい鉢に植え替えましょう。
なお、葉の部分はカサカサの状態になったら、取り除いてしまってかまいません。