みなさまこんにちは。レポ担当のshioriです。
今回も引き続き、先日の植物研修内容をまとめていきたいと思います。
どうぞお茶菓子でも摘みながらお付き合いくださいませね。
さて前回は「どうして植物が生きるためには水が必要なのか」を説明しました。
もうその答えはカンペキですよね。
そう、一言で言うならば、植物の90%は水でできているから。
(この言葉の真意が分からない方はぜひ第1回をもう一度チェック!)
なぜ植物には水が必要なの?【水やり研修レポート①】
では水の重要性を再確認できたところで、
今回はいよいよ「なぜ水やりが必要なのか」を解き明かしていきましょうか。
植物に不可欠な三要素
植物が生きるために必要なものは、大きく分けて3つあります。
それは 水・光・空気
私たちが生活している環境の中では、特に意識しなかったところで空気も光もそうそう深刻に不足することはありません。
ただし水は、放っておけば簡単に不足してしまいます。
人間だってうっかりしてるとすぐ喉が渇きますよね。
そのため、植物に対しては時々人間の手で水をあげる必要があります。
これが一般的に認識されている「水やり」です。
水やりって実は万能
でも「水やり」という行為は、正しく行えば水分補給以外の役割まで果たしてくれるのです。
それではここで、万能ねぎも真っ青な水やりの万能ぶりをご紹介しましょう。
①新鮮な空気を土に送り込む
意外と見落とされがちですが、水には色んなものが溶け込んでいます。
天然水には土から溶け出した養分が〜なんてよく言いますが(いわゆるミネラルですね)
水道水にだってナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム……等などたくさんの栄養が含まれているのです。
そんな中でも一番注目なのは空気!
植物が生きるために必要な3つのうちの1つ、空気が、まさかの水に含まれている。
ちょっと衝撃の事実ですよね。
植物は根っこでも呼吸をしていますから、土にも空気がなければ困ります。
でも無闇矢鱈と土を掘り返すのはご法度です。
だからこそ、新鮮な空気を含む水を土にあげる必要があるのです。
②土の中をお掃除
生き物にとって避けて通れないものといえば、そう、排泄です。
植物だって生きていますから、当然不要物は排泄します。
とは言っても植物は排出器官を持ちません。
その代わりに細胞内に液胞を持って、そこに老廃物を溜め込んでいくと中学校で教わりました……。
でも実は、一部は根っこから排出されるんですよ。
なぜなら根っこは呼吸をしているから。
呼吸によって出された二酸化炭素や毒素は当然土の中に溜まります。
そこで水やりの水を使えば、土の中を洗い流せることになるわけです。
よく水やりのコツで「鉢底から流れ出るくらいたっぷり」と言われるのはこのお掃除作用を果たすためなんですね。
③植物の体もお掃除
水が体の表面を流れれば、植物の体についたホコリなどを落とすことができます。
シャワーを浴びるのと一緒ですね。
ただしもちろん乱暴にするのは厳禁です!
だって滝行は痛い❗でしょ?
④植物の体温調節
暑い時人間がプールに入りたいと思うように、植物もひんやりしたい時はあります。
植物には「蒸散」というはたらきがあり、体内の水分を蒸発させることで、一緒に放熱をしています。
ただしそれだけで本当に必要十分な体温調節ができるかといえば……当然そんなことはありません。
その植物が本来生きているはずの環境でなければ、植物自身がカンペキな自己管理を実現することは難しいのです。
だからこそ、人間と同じように、外からかける水で体を冷やす事も時には必要なんですね。
いかがでしょうか。
水やりがただの水分補給ではないこと、ご理解いただけたでしょうか?
たかが水やり、されど水やり。
「水やり三年」という言葉が示しているのは、これら全ての役割をきちんと果たせる「水やり」のことです。
植物を健康にすくすくと育てられる水やりをマスターするためには時間がかかるんですね。
なぜわざわざ水やりが必要なの?
ところで、植物の育て方を調べた時「庭植えならば水やりはほとんど必要ありません」といった表記を見かけることはありませんか?
それに自然の中で自生している植物は水やりなんてしてもらっていませんよね。
こんなに万能で重要な水やりなのに、なぜ必要ないのでしょうか?
答えは簡単。
屋外であれば自然の水やり=雨があるからです。
雨は降ったり降らなかったり気まぐれですが、多少の気まぐれには植物たちも耐えられます。
しかも底なしにたっぷりある土は雨水を程よく保水してくれるのです。
そのうえ自然の中で自生している植物たちは自分に合った環境にいますから、より耐えられるわけですね。
人が管理している花壇などは必ずしも植物にピッタリの環境ではないため、稀に人の手助けを必要とすることがありますが。
でも鉢植えの場合、そんなレベルでは済みません。
勝手に降ってくる水も無ければ、保水するための土も少ないからです。
だからこそ人間の手でしっかり水やりしてあげなければいけないのです。