こんにちは。ガーデンプランナーの柳澤です。冬の庭作業も寒くつらくなってきましたが、すでに新しい花芽のついた樹木を見ると植物の命を感じることができて嬉しくなりますね。またこの時期はお正月に飾られる縁起の良い植物たちがイキイキとしていて、見守られているような気持ちになります。今年も年の瀬が近づいてきました。
年末年始、ご親族の集まりに向けて花壇を整えたり、お正月の飾り付けをしたりする方は多いのではないでしょうか。年末の大掃除と一緒に、今年枯れてしまった植物たちを一掃する、、そんな事もありそうです。そこで今回は、植え替えたあとや掘り出した後の植物の活用法や処理方法をお伝えしたいと思います。
それ、本当に枯れてる?
花壇の植え替えをするとき、お花が咲かなくなってしまったものや葉が茶色くなってしまったものを抜いて、新しい植物を植えますよね。でもその抜いた植物、よーく見てあげてください。まだ生きている事もあるのです。この時、再生復活を待つ場合もあれば見切りをつけてしまう場合もあります。少し整理してみましょう。
古い植物を抜くとき
①今、枯れて弱った状態なので抜く
②新しく植えたい植物や近くにある植物の生育の邪魔になってしまっているので抜く
③まだ花がついているが、一年草のため次の季節には枯れてしまうので、枯れてしまう前に抜く
※一年草…種を蒔いてから発芽し花が咲き、枯れてしまうまでのサイクルが一年のもの。種をとればまた次の年も楽しめるが、枯れた部分や根はほぼ再生しない。
問題は、①で抜くとき。抜いた植物が一年草であれば、その後復活する見込みがないのでサヨナラします。豪華なお花を咲かせる園芸品種にはこのタイプが多いです。しかし、今は枯れているけど春になって暖かくなるのを待っているだけの状態の植物もいます。これが多年草ですね!プランターが寂しくなるのを避けるのなら、この多年草のタイプは違う鉢にそっと植え替えてあげて、春の復活を待ちましょう。もちろん水遣りは忘れずに。植物の生命力を感じられることでしょう。
また多年草であっても、水遣りが原因の枯れの場合は復活しない可能性が高いので、春まで待っても葉が出なければ見切りをつけることになります。植物にはそれぞれ水分限界点というのがあり、体内の水分量がある一定の量以下になってしまうと、いくら水を与えても復活しません。逆に言えば、枯れているように見えても水分限界点まで達していなければ、水を与えると復活するのです。すごいですよね。
②の場合は、根っこを残さないようにそっと取り除き、違う場所へ植え替えてあげましょう。
③の場合もよくあります。咲いているお花が終わった後に随時抜いてあげられれば一番良いのですが、管理する方が忙しく日程が決められている場合や団体で管理している場合などは咲いているお花がある状態で抜いてしまうことが多いです。また風水上、枯れたものを置かない方が良いので枯れないうちに、、という考え方もあります。このときもったいない!と思ったものは植え替えてとっておいたり切り花として飾って楽しむのがオススメです。このあとまた詳しく書いていきます。
もう復活しない、、土ごと捨てられる?
さすがにもう復活しない、と見切りをつけた植物。そのまま燃えるゴミに入れる方は多いかと思いますが、「土」は燃えるゴミでは捨てられません。なるべく、根っこについた土は取り除きましょう。自治体によって異なりますが、土や石などの自然物は回収できないところが多く、大量の土を廃棄したい場合には注意が必要です。ホームセンターや専門業者でまとめて回収してくれる事もあるそうなのですが、まずは自治体に確認してみましょう。
まだ咲いているお花は飾って楽しもう
まだ咲いているお花を抜いたときや、剪定した枝に花がついているときには、ぜひ家の中に飾りましょう。冬はバラの剪定の時期なので、まだ蕾のお花を剪定する事もあるかと思います。
ここですぐには捨てず、短く切ってお部屋に彩りを加えましょう。綺麗に飾るセンスがない、というのは思い込みです。自由に、シンプルに。お水をたっぷり入れた器であれば、コップでもワインの瓶でも空き缶でも大丈夫なので、ちょっとしたスペースに置いてあげましょう。長持ちさせるには、水に浸かる葉っぱだけ取り除いてあげればOK。お水は濁ってきたら替える程度で、気負わず取り入れるのがオススメです。
またバラやケイトウ、センニチコウ、スターチス、アザミ、ラベンダー、アジサイなどなど、そのままドライフラワーとして楽しめるものも多いので、お水に入れて飾ったあともコレクションしてみるのもオススメ。ぜひ色々試してみてくださいね。
剪定した枝や伸びすぎたハーブも、、
もちろん、飾れます。
家の中にグリーンを取り入れたい、けれども日当たりが悪く育たない、、という方は切り枝や切り葉がオススメなのです。お花のようにちょっと飾るのも良いですし、枝に葉っぱがまだついているものがあればダイナミックに活けてしまうのもOK!またグリーンだけじゃ寂しい、けれどもお庭に咲いているお花がないという方は、お花を一本買ってきて一緒に入れてしまいましょう。とにかくとにかく、お水はたっぷりと。
また上級編ですが枝を集めてリースにしたり、スワッグにしたりする事もできます。資源を有効利用して、生活に取り入れる。とってもナチュラルな生活ですね!
自然と共生するために。
古くより、日本と自然の関係というのは「共生」。共に生きるために相互作用していく暮らしが当たり前でした。世界が注目する日本庭園も、フランス式庭園などのように自然を「支配」することなく、自然は自然のまま人間の世界に取り込んだ事が特徴ですね。
現代に生きる私たちも、先人のように共生の心を忘れずにいたい、、、そんな事を考えます。ガーデニングを心から楽しむために、ぜひ実践してみてくださいね。