月の名前に込められた季節

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2018年も最初の1ヶ月がやっと終わりましたね。なんて思ったら次の1ヶ月は光の速さで過ぎていきそうな……。
どうも、年中時差ボケしている気がするshioriです。

月の別称ってご存知ですか?

月と言っても1月・2月・3月〜の月のことですよ。
古来日本では太陰暦(旧暦)が使われていて、日本人はずっと、現代の太陽暦(新暦)に基づいた区切りとは別の時間感覚で生きていました。
旧暦だと一年は360日だそうなので時間間隔の違いがよく分かりますね。
だから当然、月の区切りも呼び方も違っていたのです。それが月の別称です。
そこには、この地で自然に寄り添って生きていた日本人たちが、ずっと肌で感じていた季節の移り変わりがはっきりと表れています。

月の別称を見てみよう

睦月(むつき)

旧暦で正月(一月)のこと。新暦の1月下旬〜3月上旬頃に相当。雨水を含む月。

「睦月」という名称の由来:

稲の実をはじめて水に浸す月=「実月(むつき)」が転じたとする説

日本人は弥生時代から農耕民族でしたから、季節の区切りと稲作の間には密接な関わりがあるのでしょう。
今年植える苗の発芽を促す作業はまさに一年の始まりそのものですね。

その他の主な説:
  • 親類知人が互いに行き来して仲睦まじくする月=「睦び月(むつびつき)」

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如月(きさらぎ)

旧暦で二月のこと。新暦の2月下旬から4月上旬頃に相当。春分を含む月。

「如月」という名称の由来:

草木が生えはじめる月=「生更木(きさらぎ)」とする説
草木の芽が張り出す月=「草木張り月(くさきはりづき)」が転じたとする説

春の足音が聞こえてくる頃に相当するので、多くの人が草木の活動再開に心動かされていたのでしょう。

その他の主な説:
  • まだ寒さが残っているので衣(きぬ)を更に着る月=「衣更着(きさらぎ)」
  • 気候が更に陽気になる月=「気更来(きさらぎ)」

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弥生(やよい)

旧暦で三月のこと。新暦の3月下旬から5月上旬頃に相当。穀雨を含む月。

「弥生」という名称の由来:

草木がいよいよ生い茂る月=「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったという説

弥や=いよいよ
生ひ=生い茂る
という意味なのだそうで、如月に生えはじめた草木がいよいよ生い茂る様に心を鷲掴みされた、日本人のドキドキやワクワクが伝わってくるような名前です。
お子さんの名前にも採用したくなる気持ちも分かりますね。

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卯月(うづき)

旧暦で四月のこと。新暦の4月下旬から6月上旬頃に相当。小満を含む月。

「卯月」という名称の由来:

卯の花(ウツギの花)が咲く季節=「卯の花月」の略とする説

「卯の花月」の説については、逆に花のほうが「卯月に花咲くから『卯の花』と呼ばれている」とも言われているので、ニワトリとタマゴみたいな関係です。
その場合は先に別の由来でついた「うづき」という名前があったことになりますが、果たしてどっちが先なんでしょうね?

その他の主な説:
  • 稲の苗を植える月=「種月(うづき)」「植月(うゑつき)」とする説
  • 「初(うぶ)」「産(うぶ)」を意味する「う」から、一年の循環の最初を意味する月
  • 十二支の4番目が卯であることから「卯月」

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皐月(さつき)

旧暦で五月のこと。新暦の5月下旬から7月上旬頃に相当。夏至を含む月。

「皐月」という名称の由来:

田植えをする月=「早苗月(さなへつき)」が短くなったものとする説
田植えをする月=古語で田植えを意味する「サ」の月=「さつき」とする説

どちらにしても、稲作を基準とした呼び名であることが伺えますね。
昔から日本人とT○KI○にとって「田植え」は非常に重要なイベントだということですね。

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水無月(みなづき)

旧暦で六月のこと。新暦の6月下旬から8月上旬に相当。大暑を含む月。

「水無月」という名称の由来:

「無」は連体助詞「な」のことで、口語訳すると「水の月」であるとする説
田植が終わって田んぼに水を張る必要のある月=「水張月(みづはりづき)」「水月(みなづき)」とする説

先に「水の月」を意味する「水な月(みなづき)」という言葉があって、漢字を充てたらパッと見の意味が反対になったという説はとても興味深いですね。
梅雨終盤で降り続く雨の中に始まり、梅雨が明けても田んぼにはたっぷり水が張られていて、身の回りが水に満たされる様を表した粋な呼び名と言えるのではないでしょうか。

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文月(ふづき・ふみづき)

旧暦で七月のこと。新暦の7月下旬から9月上旬頃に相当。処暑を含む月。

「文月」という名称の由来:

稲の穂が含む月であることから「含み月(ふくみづき)」「穂含み月(ほふみづき)」の意味であるとする説

これも稲作基準でついた名だとすると、新たな実りが待ちきれない人々がそわそわしながら稲の様子を観察していた様子が思い浮かびますね。

その他の主な説:
  • 7月7日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習があるから

 

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葉月(はづき)

旧暦で八月のこと。新暦の8月下旬から10月上旬頃に相当。秋分を含む月。

「葉月」という名称の由来:

木の葉が紅葉して落ちる月=「葉落ち月」「葉月」であるとする説
稲の穂が張る月=「穂張り月(ほはりづき)」とする説

自然に寄り添って生きる日本人が秋に見ていたのは、果たして頭上の木々だったのでしょうか、足元の稲穂だったのでしょうか……。
私はパンパンに張った穂が垂れるのを待つうちに、紅葉した葉が落ちて視界に飛び込んできた説を推したいと思います。

その他の主な説:
  • 雁が初めて来る月=「初来月(はつきづき)」
  • 南方からの台風が多く来る月=「南風月(はえづき)」

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長月(ながつき)

旧暦で九月のこと。新暦の9月下旬から11月上旬頃に相当。霜降を含む月。

「長月」という名称の由来:

夜がだんだん長くなる月=「夜長月(よながつき)」の略とする説

この時期は夜の冷えも緩やかですから、日中の疲れを癒やしながら夜空を楽しんでいたのかもしれませんね。

その他の主な説:
  • 稲刈月(いねかりづき)」→「ねかづき」→「ながつき」
  • 「稲熟月(いねあがりづき)」の略
  • 雨が多く降る時季=「長雨月(ながめつき)」→「長月」

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神無月(かんなづき)

旧暦で十月のこと。新暦の10月下旬から12月上旬頃に相当。小雪を含む月。

「神無月」という名称の由来:

雷の鳴らない月=『雷無月(かみなしづき)』が転じたとする説

かつては「雷に感光することで稲穂が実る」という民間信仰まであったように、日本人にとって雷は非常に大きな存在だったことが分かりますね。
また水無月同様に「無=格助詞『な』」と解釈して「神を祀る月であることから『神の月』とする説」もあります。
秋の実りに感謝した祭りが多く催されますから、この説も納得です。

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霜月(しもつき)

旧暦で十一月のこと。新暦の11月下旬から1月上旬頃に相当。冬至を含む月。

「霜月」という名称の由来:

霜降り月(しもふりつき)」の略とする説

急激に冷え込むこの時期は、アスファルトの無い時代にはそこかしこで霜柱ができていたことでしょう。
多くの日本人があのザクザクと踏みしめる感覚を楽しんでいたかもしれないと思うと、微笑ましく思えます。

その他の主な説:
  • 「食物月(おしものづき)」の略
  • 「凋む月(しぼむつき)」「末つ月(すえつつき)」が訛ったもの

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師走(しわす)

旧暦で十二月のこと。新暦の12月下旬から2月上旬頃に相当。大寒を含む月。

師走という名称の由来:

実はよく分かっていません。

代表的な説:
  • 「年が果てる」意味の「年果つ(としはつ)」が変化したとする説
  • 「四季の果てる月」を意味する「四極(しはつ)」からとする説
  • 「一年の最後になし終える」意味の「為果つ(しはつ)」からとする説

いずれにせよ、一年がぐるりと廻って終えようとしているという空気を感じる季節であることが窺えます。
風や雪が荒ぶり多くの人が家に篭もることを余儀なくされ、たまに穏やかな日がきて家を出てみても、植物は多くが活動を休止していて動物の気配もほとんど感じられないような静寂の日々が続く。
そんな自然の姿をど真ん中で実感しているからこそ付いた呼び名なのかもしれませんね。

師走イメージ

 

大昔の言葉には心が宿っている

いかがでしたでしょうか。
改めて由来を並べてみると、字だけを見て持っていた印象とは違った名前も多く、大変興味深いものがありますね。
言葉というのは人の素直な心から生まれるのだと、そして同じ感覚を受け継いでいくから言葉も受け継がれていくのだと実感します。
現代に生きる私も、調べながら何度となく「そう名付けちゃう気持わかる!」なんて共感したりして。
(もしや私は時差ボケしてるんじゃなく、時代ボケしてるのか……?)
これからも日本人の後輩として、先人たちと気持ちを共有できるように自然と寄り添って暮らしていけたら素敵ですね。

そしてこれを書いている間もチラチラと脳裏をよぎる某農家(兼アイドル)さんは、気がつけば農業歴18年ということで……。
そりゃ1等米も作れるようになりますよね。
20年目も30年目も40年目もその先も、先人たちの心を積極的に受け継ぎ広め続けてもらいたいものです。
Be ambitious!